第57回日本臨床眼科学会
(2003年10月31日〜11月3日 名古屋)
『みんなで創るこれからの眼科』というコンセプトで開催された今学会では、多岐にわたる分野からの企画や一般への広いアプローチなど、眼科学の更なる発展のための様々な試みが行われた。LASIK・LASEKに代表される屈折矯正手術の分野では、Wavefront技術等、より踏み込んだ臨床報告が発表され、レーザー屈折矯正手術の眼科医療における成熟を感じさせる内容であった。
● ポスター発表『LASIK VS LASEK−角膜後面の前方偏位』
北澤世志博・田尻千鶴子・土信田久美子
LASIKでは、術後に角膜後面が前方偏位し、その量は矯正量や残存角膜厚と相関すると報告されている。今回我々は、LASEK術後の角膜前方偏位量を測定し、LASIKの偏位量とも比較検討した。
角膜形状解析装置ORBSCANを使用し、術前と術後1ヶ月および3ヶ月の角膜後面偏位量を求めた。そしてそのdifferential mapから、偏位量と矯正量、切除深度および残存ベッド厚との関係を検討、LASIKとLASEKの両群で偏位量を比較した。
結果としてはLASIK・LASEKともに、術後に角膜後面の前方偏位が見られたが、その偏位量はLASEKのほうが少なかった。また矯正量が多いほど、切除深度が深いほど、前方偏位量は大きくなった。残存ベッド厚は前方偏位量との間に相関が認められなかった。
屈折矯正手術後は角膜前面の屈折力が変化しているため、角膜後面の像も真の大きさと異なっている可能性がある。現在の屈折矯正手術後の角膜後面の評価において、このことは無視されている。そこで前方偏位量の検討の際には、この誤差分を含めて再検討する必要があると思われた。
● 一般講演『LASIK VS LASEK−術後視力と矯正精度』
田尻千鶴子・土信田久美子・北澤世志博
エキシマレーザーによる屈折矯正手術の中心は依然LASIKであるが、LASIKが受けられない患者も相当数いるため当院でのLASEKの症例も増加してきている。今回はLASIKとLASEKの術後中期における視力および矯正精度について、比較検討したので報告する。
方法としては、対象を近視度数に応じて3群に分け、術後3ヶ月、6ヶ月の時点の裸眼視力を各群で測定した。また矯正精度を目標屈折度の±0.5D以内と±1.0D以内に分け、各群でその割合を比較した。
LASEKの裸眼視力は術後3ヶ月でヘイズのため一時的な低矯正になる症例もあるが、術後6ヶ月になるとヘイズの軽減とともに視力の改善が見られる。矯正精度については、術後3ヶ月の時点でLASEKはLASIKに比べてやや低い成績になっているものの、術後6ヶ月の段階ではLASIKと同等かそれ以上の良好な成績であった。
結論としては、術後中期にはLASIKとLASEKのどちらの術式でも、軽度から最強度近視まで、良好な裸眼視力と矯正精度が得られた。
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